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受けのいい娯楽やニュースで「思考力」を奪われ続ける
以前、言論プラットフォーム「アゴラ」で興味深い記事を読みました。広東省・汕頭大学新聞学院で教授をされている加藤隆則さんの記事です。その記事では、学生から送られてきた社会批評の文章を紹介していました。
中国の大都市でミルクティー店が大ヒットして、何時間も並んで待っている。待っている間に、みんな人気のビデオゲームソフトで遊んでいる。その様子を見て、「tittytainment」戦略が成功しているのではないかと思った、という文章です。
「tittytainment」とは「豊富な娯楽」という意味で、「titty(乳首)」と「entertainment(娯楽)」を合わせた造語です。
1995年にゴルバチョフ財団がサンフランシスコで国際会議を開いたとき、「世界の富が2割の人口に集中し、8割の人々は片隅に追いやられている。この現状を放置すれば、格差が深刻な対立に発展してしまう」という議論が行われました。
そのとき、カーター政権で国家安全保障問題担当補佐官を務めたブレジンスキー氏が、「お母さんが赤ちゃんにおっぱい(titty)をあげて黙らせるように、8割の人間には受けのいい娯楽やニュースを与え、徐々に戦いの熱意や欲望、思考能力を奪えばいい」と提唱したのだそうです。そこから「titty tainment」戦略が生まれたと、その記事では紹介されていました(『AI時代のメディア論「豊かな娯楽」への抵抗』)。20年以上前にそんな議論がされていたとは驚きました。